【五反田校】実践Ⅰ第11回 <身体運動の中心を担う臀部の能力を回復させる!!/★アンチエイジングメソッド part11>

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五反田校実践Ⅰ教室をご受講いただきました皆さま、ありがとうございました。

 

<身体運動の中心を担う臀部の能力を回復させる!!>

★アンチエイジングメソッド part11

・大腿直筋を調整して股関節の詰まりを解消する

・股関節の外転筋を調整して片足立ちの安定感を高める

・大殿筋を活性して伸びやかな姿勢を手に入れる

 

 

―――――――― <レジメ前文> ――――――――

年齢を重ねるにつれて、立つ・歩く・走るなどの日常動作を大変に感じる人が増えてきます。また、若い頃と比べて疲れやすくなったと感じる方も多いでしょう。これを老化現象といってしまうのは簡単ですが、できるだけ身体能力は維持したままで日々を過ごしていきたいものです。

立ったり、歩いたりを大変に感じたり、今までより疲れやすくなったりする大きな原因のひとつに殿筋群の能力低下があげられます。私たち人間は、重力に逆らって直立二足歩行をしています。その歩行の際には、地面を踏むときに得られる反力を利用して移動しています。もし、フニャフニャの床があって、そこを移動しようとしたら凄く疲れそうなのは想像できると思います。この地面からの反力を受け止め、体幹を介して上半身に伝える役割を担っているのが股関節であり、その制御をおこなっているのが殿筋群です。

大中小と名前が付いている殿筋のうち、大殿筋は人体で最大級の筋肉で、基礎代謝にも大きく関わっています。ハムストリングと協調して股関節を伸展させる主動作筋で、股関節を屈曲させる腸腰筋と拮抗の関係にあります。これらの筋肉の働きによって、上半身と下半身が機能的に連携しています。

中殿筋と小殿筋は、主に股関節を外転させる作用を担っています。これは、歩くときに対側の骨盤が落ちるのを防ぐ働きがあります。大殿筋もこの作用に参加しています。

これらの筋肉は股関節を動かす主動作筋ですが、その股関節は日常生活の中では可動域を使い切ることが非常に少ない関節です。そのため、それらを動かす筋肉も伸縮が最大限におこなわれることが少なく、それが知らず知らずのうちの衰えに繋がるケースが多いといえるでしょう。

今回は、股関節の屈曲に関わる大腿直筋、そして伸展や外転に関わる殿筋群を活性することで、身体の中心を担う臀部の機能を高めてまいります。ぜひパワフルに動ける身体をキープして、日々を活発に過ごしてまいりましょう。

―――――――― <レジメ前文> ――――――――

 

 

前々回の第9回では、自律神経の働きに直接的な影響を及ぼす胸椎の可動性を向上させました。そして前回の第10回では、その胸郭を支持する役割を担う腹圧を活性しました。今回は、直立二足歩行において体幹と下肢を繋ぎ、身体運動の中心となる股関節の制御を担う殿筋群の活性です。

 

歩行の際に、地面からの反力を受け止め、体幹を介して上半身に伝える役割を担っているのが股関節であり、その制御をおこなっているのが殿筋群です。股関節は「人体最大の関節」です。可動域もとても大きい。しかしながら日常生活において、その可動域を使い切ることはほとんどありません。そうなると殿筋群は、最大限に伸縮する機会が非常に少なく、特に主動作筋が縮み切ることを滅多にしない状態で活動しています。

それ故、ウォーキングなどで正しい歩き方をして上手に殿筋群も使えていれば別ですが、そうでなければたくさん歩いたとしても殿筋群は鍛えられないケースが多く見受けられます。そもそも殿筋群が正常に機能しなければ、正しい歩き方をすることが難しいでしょう。殿筋群は意図的に鍛える筋トレをしないと、鍛えるのが難しい部位だと考えます。

 

そこで今回は主に、股関節の最大可動域の肢位で殿筋を緊張させることにより、主動作筋となる殿筋の最大収縮の状態を作って活性します。ちゃんと縮んで緊張することを思い出させることで、機能を回復させるのが狙いです。

 

最初は「大腿直筋を調整して股関節の詰まりを解消する」で、股関節屈曲時の鼠径部の詰まりを解消し、かつ大腿直筋がちゃんと緩むようにしました。これは以前、第209回研究実践コースで発表されたアプローチです。大殿筋の拮抗筋である腸腰筋と連動して股関節を屈曲させる大腿直筋の腱がターゲットです。大腿直筋腱の起始部は、下前腸骨棘につく「直頭」と寛骨臼の上縁につく「反回頭」の2つに分かれていて、股関節伸展時に膝を伸ばすときには「直頭」に負荷がかかり、股関節90度屈曲時に膝を伸ばすときに「反回頭」に負荷がかかります。3つ目の「third head」というものもありますが、それは有る人と無い人がいて、反回頭までは全員にあります。

その直頭と反回頭を調整し、大腿直筋腱の柔軟性を確保するのがこのアプローチです。これにより、股関節屈曲時の鼠径部の詰まりは解消され、股関節の柔軟性が大きく高まりました。加えて、大腿直筋の余分な緊張も解消されるので、鼠径部から大腿部がすごく楽になります。

私は、前回発表のときに「このアプローチは腰や股関節症状および下肢症状には、すごく重要な一手になる」と感じて、それ以来臨床の場で頻繁に活用しています。

 

ここからが殿筋をしっかり縮むことを思い出させるアプローチです。

一手目は「股関節の外転筋を調整して片足立ちの安定感を高める」。これは、歩くときに対側の骨盤が落ちるのを防ぐ働きがあります。股関節を外転させる作用を担っているのが小殿筋と中殿筋です。

相手が側臥位の状態で、まずは大転子上部における小殿筋と中殿筋の位置関係が非常に分かりやすく解説されました。私の経験からすると、これが頭に入っているだけでインプット効果は向上します。

そして、股関節の最大外転位で、さらに代償運動を妨げるために股関節を伸展させた状態で力を入れるようにして筋活性を施します。この状態は、筋肉が最大収縮して力を発揮している状態です。脱力時には、小殿筋と中殿筋がスムーズに交差するように引っ掛かりを解消することを意識して、馴染ませるように中を動かすインプットを施すと効果は抜群です。私は、最初はどのように力を入れたら良いか分からずに、その肢位をキープするだけでもきつかったのが、3回目ぐらいにはより外転させる方向にしっかり力を入れられるようになりました。同時に拮抗筋である内転筋もすごく緩みました。それによって、片足立ちは気持ちよく感じるほど安定し、快適な歩行感覚が得られました。これで歩いた後のダメージがグッと減るとのことで、嬉しさ倍増です!

私は、「これはまたアンチエイジングには欠かせない要素だ!」と感じたので、今担当している多くの患者さんに施しまくっております。

 

そして最後は「大殿筋を活性して伸びやかな姿勢を手に入れる」で、大殿筋を活性しました。大殿筋を活性することで股関節の伸展がきちんとできるようになると、活性度合いがまた一気に変わってくるそうです。期待が高まります。

このアプローチでは、相手にとってもらう体位が非常に奇抜でした。しかし、それは代償運動をさせないようにするのに、とても理に適った体位です。これも股関節の最大伸展位で力を入れることで、最大筋収縮状態での筋活性となります。脱力時には、中殿筋と大殿筋がスムーズに交差するように引っ掛かりを解消することを意識して、中を動かすインプットを施します。それによって無駄な緊張が充分に抜けたお尻はフワッフワでモチッモチの状態になりました。

立ってみるとお尻がすごく楽!そして、歩いてみると自分の歩く速さにビックリです!!大殿筋が活性されたことにより、身体が起きている状態で後ろ脚をしっかり残せるようになったので大股になり、それに伴い後ろ脚が地面から離れる時にしっかり地面を蹴るようになったので、大きな推進力が得られたのです!!これによって、身体の疲労感は大幅に軽減されると共に、大殿筋は大きな筋肉なので基礎代謝に大きな影響を与えます。まさに、良いこと尽くめです。人にやって差し上げれば素敵なギフトになりますね。

ということで、これもまた今の臨床の場で活用しまくっております。

 

 

今回のメソッドは腰痛にも有効であり、疲労感の軽減・基礎代謝の促進にも大きな効果を発揮します。臀部の余分な緊張が抜ければ、睡眠の質も良くなり、回復力の向上も期待できます。

実践Ⅰのアンチエイジングメソッドとして発表されるものは、ほとんどの人に共通して必要であると感じるものばかりです。皆さまもぜひ身につけてくださいませ!!

 

 

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大井 洋

 

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